08 グループホーム安暮里みしまの家 介護職員 カイトさん
高校を卒業して社会人になり、どこかで学生の延長のような、ボランティアのような感覚で働いてしまっていた。
そこで言われた主任からの言葉。
その言葉は温かく、優しさや期待が込められていた。
高校を卒業し、ずっと興味のあった介護の仕事を始め、約9カ月が経過。
周りの職員からのサポートや、見本となる姿を見せて頂くことで、多くのことを吸収し、成長できている。
その中で、主任からの言葉が自分を大きく変えてくれたと話してくれた。
その言葉は何だったのか。
また、社会人になりお給料をもらった時の気持ちも話してくれた。
‐‐高校を卒業して京福会に入職されましたが、介護の仕事に興味を持ったきっかけは何だったのですか?
「小さい頃、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に住んでいたのですが、そこにおじいちゃんとおばあちゃんのお友達が来ることも多く、ご高齢の方とお話をする機会が多かったんです。そういう環境だったのが大きいですね、年齢の差はありましたけど、気にならなかったし、そういう時間がとても楽しかったんです。
あとは仲良くさせて頂いている先輩が介護の仕事をしていて、実際どうなのか聞いてみたことがありました。介護って排泄介助の仕事とかがあるから、大変そうなイメージがあったのに、その先輩はそういう話さえもマイナスな感じで話していなくて、むしろ楽しそうにキラキラした表情で話されていて、それがとても印象的でした。
ひとりの高齢者のために職員同士が連携して協力してその人を支えるんだとか、職員が大変な時にはお互い助け合うからチームワークが生まれるよとか。
その話を聞いているだけで、やりがいのある仕事なんだなと感じましたね。聞きながらワクワクしたのをはっきり覚えています。」
‐‐育った環境や先輩からのお話が影響していたんですね。初めての社会人で不安もあったと思います。実際に入職してみて、いかがでしたか?
「覚えるのが苦手で迷惑をかけてしまっていますけど、周りの職員さんに助けてもらっています。例えば、自分がミスをしてしまった時には、流れの中でどこが良くなかったのか、原因を分かりやすく的確に指摘をして下さるので、とても有難いです。自分で自覚している部分も、自分では気付けていない部分も、きっと言いにくいとは思うんですけど優しさで言って下さいます。時に考える時間を与えてくれたり、自分の中で整理する時間を与えてくれたり。
センター長も親しみやすく、周りを明るくしてくれています。失敗しても責めることはせず、次に向けてどうするかという話をして下さるので、前を向けます。
職員さんによって特徴もあって、入居者さんとのコミュニケーションにおいても、ゆっくり時間をかけて気持ちを引き出す方もいるし、自分のことをオープンにして自虐ネタで笑いを取り入居者様を笑顔にする方もいるし、レクリエーションの進行がとても上手で入居者さんだけでなく職員も引き込まれてしまうような空気をお持ちの方もいます。
業務においては、仕事の中で常に先を読みスピーディーに効率良く業務をこなす方もいるし、事務仕事と入居者さんとの関わりの時間の切り替えがとても上手な方もいます。
本当、一緒に働かせてもらっているだけで勉強になります。成長の手助けをしてもらっている感じです。」
‐‐指摘されたり注意されたりした中で、印象に残っている言葉はありますか?
「ありますね。入職して最初は研修とかもあったから、その延長で自分自身どこかでボランティアのような、学生の延長のような感覚で仕事をしてしまっていた部分があって。入職してから数カ月後、主任から
『もう、ひとりの職員として見ているからね。』
って言われたんです。いろんな意味が込められていたと思うんですけど、きっとボランティア感覚で仕事をしていた部分も気付いてくれていたのだろうと思うし、しっかりしなくちゃって自分を見つめ直すきっかけを与えてくれたように思います。
それまでは、何でも職員に聞いてから行動していましたけど、自分で考えて判断しなくちゃとか、聞くにしても考えた上で聞こうとか意識が変わりました。失敗が怖くて誰かがやっているのを見ていただけでしたけど、失敗しないと学べないなって思い、積極的にトライするようになったと思います。
とても有難い言葉でしたし、素直に嬉しかったです。その言葉を頂いてから、職員さんは夜勤をしていたり、自分の業務があったりするにも関わらず、自分の時間を割いて教育してくれていたんだと気付けました。早く自立しなくちゃって強く思いましたね。」
‐‐主任からの言葉で、プラスに転じることができたんですね。きっとカイトさんの何でも吸収する素直さもそうさせているのだろうと思います。社会人になり、初めてお給料をもらった時はどんなお気持ちでしたか?
「こんなにお給料がもらえるんだなと驚きました。そして、それに見合った仕事をしないといけないなと。初めてのお給料で、ゲーム機を買ったんです。頑張って働いたら、自分の欲しいものが買えるんだなって実感しました。
冬のボーナスを頂いた時には、両親に1万円で何か食べたいものない?って聞いたんです。何かご馳走したいなって思って。そしたら、自分が思っていた以上に喜んでくれて、とても真剣に何がいいか考えてくれていました。出前で豪華なお寿司を頼んだんですけど、こんなに喜んでもらえるなら、もっと頑張って働いて、もっと美味しいものを食べさせてあげたいって思いました。自分を育てるのにお金もかかったと思うので、これからは恩返しができたらいいなと思います。
それと、おじいちゃんにもいつかカラオケが自宅でできるような機械を買ってあげたいです。カラオケが好きなので。」
‐‐最後に、カイトさん自身の目標や夢はありますか?
「目標はケアマネージャーや社会福祉士の資格を取ることです。この仕事を通して、様々な形で役に立てたらって思います。
社会人になり、今は1人暮らしをしているんですけど、いつか自分の家庭を持って、マイホームを建てることが夢です。」
2022.2.1
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