04 特別養護老人ホームほのぼの園 介護職員 紗綾さん

京福会を知り、4回の出会いで訪れた『包み込まれたい』という感覚。
社会人として5カ月が経ち、その感覚に身を任せた自分の選択は、間違っていなかった。それは、インタビュー後半のこの言葉が証明している。
「入職してから、この仕事に対して嫌だなと思ったことは一度もない。」


小学生、福祉という世界の存在すら知らなかった。

中学1年生、委員会で老人ホームを訪問し、大変そうだなと他人事だった。

中学2年生、職業体験で、消去法により仕方なく福祉施設を選んだ。

高校2年生、インターンシップとして、自ら福祉の仕事を希望した。

高校3年生の冬、福祉の仕事をするべきか、それでも最後の最後まで悩んだ。


今に至るまでの心の変化について、何があったのか聞いてみた。






‐‐高校を卒業してこの世界に飛び込んだわけですが、介護の仕事を知ったきっかけは何だったのですか?


「小学生の頃は福祉の仕事に関して、存在すら知りませんでした。元々興味が無かったというのもあるかもしれません。

中学1年生の時、委員会のボランティアで福祉施設に行って、こういう仕事があるのだなと初めて知ったんです。でも、正直に言うと、とても嫌だったんですよね。世代が違うし、ご高齢の方とどう関わったらいいのかが全く分からない。今の話をしても理解してもらえないし、過去の話をされても理解出来ないという思いでした。その時は大変そうだなって、他人事のように働く職員さんを見ていました。

中学2年生の時に1週間の職業体験があって、この時は自分で体験先を選べたんですけど、消去法で仕方なく選んだのが、福祉施設でした。でも、やっぱり何を話していいか分からなくて、本当に嫌で。それでも、3日目か4日目くらいから楽しいなと思えるようになったんです。こういう話をしたら楽しそうに聞いてくれる、自分から話しかけたら心を開いてくれる、そういうのが分かったら楽しくなって。戦争とか自分の知らない話を聞かせてもらえるし。そういう時代があって今を生きてらっしゃるんだなって。」

‐‐ご高齢の方々と接する中で戸惑いが最初はあったと思いますが、関わる楽しさを知って、介護の仕事がしたいと思ったのですね。


「いえ、まだ続きがあるんです…。高校2年生のインターンシップでは自分から福祉の仕事を希望しました。中学2年生の時にお邪魔した福祉施設と同じ施設だったのですが、自分の気持ちが変わったことで、以前とは見える世界が全然違うのに自分でも驚いたんです。病気や怪我で障害を持ってしまったけど、今を一生懸命生きている人って、自分の力はもちろんですけど、まわりの人の力も大きいなって。まわりの人が、その人をどう受け入れて、その人の生きる力になっているか。単純に凄いなって、自分もサポートする側になりたい、生きる源のひとつになれたら…って思えるようになりました。

 でも、高校3年生の冬を迎えても、高校生活が楽しくて就職のことなんて何も考えてなくて。それにいざ就職先を探さないとっていう状況に追い込まれても、福祉の仕事がしたいとは思わなかったんです。」


‐‐そうだったのですね、意外な展開でした。高校生だと就職といってもピンとこないのかもしれないですね。


「そうなんです。まわりの友達は就職先が決まっているのに、私は焦る気持ちすらありませんでした。いよいよ追い詰められて、高校3年生の冬にまだ就職先が決まっていない生徒を集めて、企業の話を聞く説明会があったんですけど、2つ目の会社で話を聞いて、この会社で福祉の仕事をするって決めたんです。」


‐‐いったい何があったのですか?


「京福会は特別養護老人ホーム寿山荘の施設長さんと施設長補佐さんが対応して下さったんですけど、細かく説明してくれて、ニコニコした表情で温かく対応してくれて、包み込まれたいって思いました。何かあっても優しく包み込んでくれそうって思えて、直感でここだってピンときたんです。自分の会社の良い部分をアピールしたり、他の会社と比較したりっていう説明が一般的だと思うんですけど、京福会のおふたりは自分の悩みを受け取ってくれて、自分の行きたいところで働いたらいいって言ってくれて。

 そこから寿山荘の見学をさせて頂いたんですけど、温かい空気が漂っていました。他の会社は知らないけれど、私は絶対に京福会が良いって確信して、先生からは他の会社も見たらって言われたけど、断りました。」


‐‐そういった出会いがあったのですね。自分の直感を信じて京福会を選びましたが、初めての社会人ということもあり、不安もあったのではないですか?


「見学もしていなかったほのぼの園に配属って言われて不安でした。でも、入職して最初の集合研修で、同じ配属先で私よりも1カ月早い3月に入職した職員さんが優しく、よろしくねって声を掛けてくれて、とっても安心しました。そして、研修最終日に配属先でもあるほのぼの園の介護主任さんが、ほのぼの園のメンバーを集めて色々話をしてくれたんですけど、とっても雰囲気の良い人で、天使に見えました。このおふたりがいるなら、大丈夫って思えたんです。また、ここでも包み込まれたいって思いましたね。」


‐‐配属先へ行く前に集合研修があるので、同じ配属先の職員さんと事前に関われるのは良いですよね。集合研修の後には配属先での研修がありますが、ほのぼの園ではいかがでしたか?


「配属先の研修でも、集合研修で出会った3月に入職した職員さんがいたし、介護主任さんもいたのでリラックスして研修が出来ました。ただ、なかなか自分の所属するユニットリーダーさんに会えなくて。研修最終日の次の日にユニットリーダーさんが出勤するから、ちゃんと挨拶しなって言われて、一気に緊張しちゃって。勝手なイメージで、怖いベテランさんを想像してたんですけど、実際会ったらとても優しそうな方で、ここでも直感でこの人にずっと付いていこうって思いました。もちろん、包み込まれたいなって(笑)」

‐‐京福会を知り、その中の出会いで何度か「包み込まれたい」と思えたのですね。その感覚に身を任せ、京福会に入職し、5カ月が経ちました。自分の感覚を信じた訳ですけど、自分の選択を振り返るといかがですか?



「間違っていなかったです。だって、入職してから、この仕事に対して嫌だなと思ったことは一度もないんです。辞めたいとか、しんどいとか、思ったことは1度もありません。この仕事が大好きです。」


‐‐最後に、目標があれば是非教えて下さい。


「私のおばあちゃんが居酒屋をしていて、両親は飲食店をしています。手伝いに行っていたこともあって、人との関わりが多い環境にいました。その中でも年配の方が多くて、そこで出会った人たちが、冗談半分で老後はよろしくねって言うんです。私も嫌ですって冗談で返すけど、私の年齢でそういう方々と出会えるのも奇跡だと思っています。そういう人たちとの関わりを大切にしたい。そして、この仕事を始めたのだから、この仕事を通して、間接的でもいいから困っている人の役に立ちたいって思います。老後は私に任せろって自信をもって言える介護職員になりたいです。」


2020.9.28

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