03 特別養護老人ホームほのぼの園 介護職員 佳樹さん

『それって自分のためでしょ?』


上司や先輩が口を揃えて言ったこの一言が、対人援助職としての自分の価値観や考え方を大きく変えてくれた。


箱根駅伝を目指していたが、思うように結果を出せず、夢を諦めた。

進路を考えていた時、頭の中にすっと入ってきたのはあの時の『ありがとう』の言葉。

目の前に「介護」の道が開けた瞬間だった。

その瞬間を振り返り、今思うこと。この道は必然だったのかもしれない。





‐‐入社して2年目になりますが、介護に興味を持ったきっかけは何だったのですか?


「高校の時に箱根駅伝に出るという夢を追いかけていたんです。陸上が好きで、陸上の強い高校へ進学し、駅伝をしていました。箱根駅伝にどうしても出たくて、大学に進学したかったんですけど、遅咲きで高校3年生の冬に良いタイムを出せたんですが、結果が出るのが遅くて夢を諦めたんですよ。

 進路をどうしようかなって悩んでいた時、小学校と中学校で福祉委員会に所属して老人ホームにお邪魔した時にご高齢の方に言われた『ありがとう』の言葉が頭の中にすっと入ってきたんですよね。本当に不思議なんですけど…。その時に介護の世界へ行こうって、その言葉ひとつで決心しました。」


‐‐運命のような必然のような、凄いエピソードですね。


「そうですね。介護をするにしても進学するか就職するか悩みましたが、国家資格でもある介護福祉士の資格が取りたいと思い、専門学校への進学を決めたんです。頑張って勉強して介護福祉士の資格を取ることが出来て。試験中は緊張し過ぎて具合悪くなりましたけど、合格した時はめちゃくちゃ嬉しかったですね。いろんな可能性が目の前に現れて、夢が広がった瞬間でした。」

‐‐なぜ京福会を選んだのですか?


「専門学校2年生の夏頃に初めて、ほのぼの園の見学をさせてもらったんです。正直、家が近かったので。でも、見学してみたらご高齢の方も笑顔で挨拶をしてくれて、職員の皆さんも凄く優しくて。

直感で、ここで働きたいと思えたんです。あとは、自分の中の特養のイメージと全然違ったんですよね。実習先で色々な特養を見てきましたけど、ほのぼの園のご高齢の方は目がキラキラしてて、生きてるっていうパワーがみなぎっている感じがしました。」


‐‐京福会に入社して、社会人としての生活が始まったわけですよね。


「不安しかなかったですよ。入居者様とうまく話せるかなとか、職員さんとうまくやれるかなとか。学生時代の実習は短期間でしたけど、働くってなるとそうじゃないから、気持ちの面で全然違って。分かっているつもりでしたが、学んだ事が全て現場で通用するはずもなく、ギャップも大きかったです。

 慣れるまで時間に追われてしまっていたのが、大きな悩みでした。自分の中で、ひとつひとつの介助を早くやらないとって焦りがあって。でもこれでいいのかなって、ずっとひとりで悩んでいたんです。でも、ひとりで抱えていても解決にならないと思い、素直に施設長や主任、ユニットリーダーや先輩に聞いてみたんです。そしたら、『それって自分のためでしょ?』って、みんなに同じこと言われて。

 ハッとしましたよ。入居者様のためにと思っていた介護が、自分のためになっていたなって。食事にしても、寝るタイミングにしてもひとりひとりのペースがあるから、それを理解しないといけないってご指摘を頂いて。そこから、相手目線で物事を考えられるようになりました。」


‐‐とても大切なことに気付くことが出来たのですね。そこから、何か変わりましたか?


「ひとりひとりに寄り添うことが出来ているように思います。自分はこの仕事をしていて、一番楽しいのが離床介助と着床介助なんです。離床と着床って、その方の1日の始まりと終わりにあたるじゃないですか。それに1対1で入居者様とゆっくり話せる時間でもあるし、みんなと一緒にいる時と違って本音で話をして下さるんですよね。最初は、『ありがとう』とか『また来てね』って言ってもらえるだけだったのが、『お兄ちゃんの顔を見ると元気になるんだよ』とかって言ってもらえるようになって。それって関係が出来てきたってことだなって思えるし、何よりその言葉が嬉しいんですよね。そう言ってもらえたら、疲れとか悩みとか、全て吹き飛びますよ。」

‐‐入居者様の目線で物事を考え、寄り添った結果かもしれませんね。ところで、入社1年目で、栃木県主催の第2回キラキラ!カイゴスタッフコンテストの本選に出場されましたよね。本選に出場したのは栃木県で9名だけとのことでしたが。


「そうなんです。大勢の人の前で、階段を下りてポーズを決めるっていう、そんなこと経験したことないですからね。自分がスターになったような気分で、気持ちが高まりましたよ。先輩たちがアイドルを応援するようなうちわとかを用意して応援してくれて。とても嬉しかったです。芸能人になったような気分でした。」



‐‐最後に夢を聞かせて下さい。


「自分のユニットを持ちたいです。リーダーによってユニットのカラーが変わると思うんですけど、自分は笑顔に溢れたユニットを作りたい。

 プライベートの夢はゲームが大好きなので、自分の部屋をゲーム部屋にしたいです。学生の頃と違って、社会人になってお給料が貰えるようになると好きなゲームとか高いモニターとかが自分で買えるじゃないですか。頑張って働いて稼いだお金で、ゲームをいっぱい買って、理想の部屋を作りたいですね。」


2020.1.8









リンク先:栃木県老人福祉施設協議会『第2回キラキラ!カイゴスタッフコンテスト開催について』

http://www.jstochigi.jp/topics/result/in-8.html


第二回 キラキラ!カイゴスタッフコンテスト開催について|栃木県老人福祉施設協議会

HOME > TOPICS > 第二回 キラキラ!カイゴスタッフコンテスト開催について2018.11.19今年も『介護の日フェスティバルINけんちょう』の時期となりました。11月10日(土)、前日の雨雲を吹き飛ばし今年も晴天に恵まれました。(一社)栃木県老施協のゆるきゃら「とちふくちゃん」も皆さんを元気にお迎えしてくれました。まずは、議会棟1階メインステージにて開催の式典です。今年は福田富一県知事にご参加いただき記念すべき第10回目の「介護フェス」が華々しく幕を開けました!!続きまして、(一社)栃木県老人福祉施設協議会 会長 大山知子よりご来場いただいた皆様へ開催の御礼とご挨拶。式典が無事に執り行われました後は、(一社)栃木県老施協主催の表彰式となります。10年以上栃木県老施協会員施設で介護のお仕事に従事いただき顕著な成績を残され介護業界に貢献いただいた方々です。今年はなんと!!139名の受賞者です。受賞者代表として、杉の樹園 倉持久美子さんに壇上にお進みいただきました。139名の皆様本当におめでとうございます!そして今までありがとうございます!!これからも何卒宜しくお願いいたします。さて、屋外スペースも賑やかになり介護フェスに協賛いただいたたくさんの法人・企業様が特設ブースを構えて来場者を温かくおもてなししてくれました!!そして・・・今年も議会棟1階のメインステージにて昨年に引き続き第2回目のキラキラカイゴスタッフコンテストの本選が開催されました。今年は昨年と大きく変わり年齢制限を無くしたことにより幅広い世代の方々からご応募いただきました。ご応募いただいた皆さん有難うございました。さて、今回本選に出場が決まった9名の方のご案内です。エントリーNO.1は大田原市の特別養護老人ホーム ほのぼの園 介護職員尾暮 佳樹(おぐれ よしき)さんです。熱い先輩達が応援に駆けつけてくれました。二次審査では、職場のユニフォームからランニングスタイルに変身し京福伝統の南京玉簾を披露!!エントリーNO.3は宇都宮市の特別養護老人ホーム びーね 介護職員小林 健太(こばやし けんた)さんです。とっても元気なキャラクターの小林さん。二次審査では応援団の方々とミニコント・・・いえいえ寸劇を披露し見事 KAIGOマンに変身して悪者を成敗してました。小林さん含め施設の方々の明るさが伝わってきます

www.jstochigi.jp

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